2015年5月1日金曜日

「15年の実験履歴」 制作日誌04

こちらに来てから武道の稽古を少しずつ受けている。武道をやっていると思う事は、本当にいつ殺されてもおかしくない環境で身につけた体の使い方だなあということだ。そんなに切迫していたのだね武士。農民だっていつ戦に巻き込まれるか、あるいは不当に税を取り立てられて命捨てる覚悟で一揆やったり、なんていうかみんなギリギリで生きてたんだなあって思う。現代において、そのギリギリ感と言うか、立ち向かう相手ってなんなんだろう?と考えるとやっぱり「システム」みたいなものなんじゃないかなと思う。でもシステムは、立ち向かわないように人間を飼い馴らす役割も果たしているから、私たちはシステムからの圧迫みたいなものをどこに向けて押しのけていいのか分らないし、押しのけられないから互いに八つ当たりするしかなくなる。でそれはますますもって生きづらくなるだけだったりする。システムの向こう側にその圧迫するもとみたいなのがあるはずなんだけど見えないように出来ている。でも、日々の生活で良くよく観察するといろいろ見えて来るはずだと私は思う。だから、武士が殺されないように周りを見ながら自分の立ち振る舞いを洗練させて行ったように、私たちも観察して圧迫されない方法を編み出す事も可能なんだろう。人は狩猟時代から命をはって拮抗して生きていたんだから、そういった拮抗をもって自分を本当に生かすという意味ではいつの時代も変わらないという事なのかもしれないと思う。

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