2010年10月21日木曜日

リアクションと戦略

日本において、ローカリティーのリアクションと言うのは実はたくさん起きて来た。

これは、単に地方という意味ではない。つまり中央に飲み込まれる事に対する、あるいは管理されることに対する抵抗というリアクションだ。例えば

路上バンドブーム
タケノコ族
アングラ劇ブーム
60年安保闘争

ヤンキー
反抗期

その他諸々

でもリアクションと言うのは基本的に、発作的に無自覚に起きてくるもので、だからこそ、最初の瞬間はリアリティーがある。けれども、一番悪いことは、それがナルシズムに移行してしまうこと、自分を成り立たせるための他者否定のみに陥ってしまうことで、そうなると、それが力を持ったアウトプットには繋がらなくなって行く。一時的なものになって去って行く。

土方巽は、自身の足下の底にある深いローカリティーに接触し、体を媒体にしてエネルギーをアウトプットに繋げることに成功した。
そこには、ただのリアクションではなく、洞察力と戦略があったからに違いない。しかしその時代のリアクションという意味でもリアリティーがあったに違いない。

すべての古い芸能はその時代その時代にとってのリアリティーのある反応だったに違いない。そのことを深く理解する必要がある。
どのような状況でどのようなリアクションがあったのか、またそれがどのような戦略を持って、気高い芸能に結実して行ったのか?リサーチする上で一番重要なポイントではないだろうか。それらを通して、今の私たちがどのようなリアクションを起しているのかあるいは起こせていないのか?起こせる可能性があるのか?見て行かなくては行けないだろう。

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