2017年8月20日日曜日

お盆について 死後の世界観について その四

●世界はイメージでできているのか?


ところで、世界は誰の目から見ても自明の現実というものがあると思われていて、それを空想やイメージと区別する。生きているうちに見ていること感じていることは現実とはっきり言い切ることができ、死後のことはただのイメージにすぎないというように。けれども、世界はイメージによって作られていると言い換えることができるのではないだろうか? 人は常に、見たもの感じたものを元に「世界」というイメージや「自分」というイメージを組み立てながら生きているとも言える。またイメージをもとにして見たもの感じたものを解釈する。そこに実はさまざまな齟齬や誤解があって、視点の数だけ現実と思われている何かがある。現実がイメージにすぎないことを知ると、たとえ苦しくてもそれを観察できるようになる。仏教の教義で伝えていることはそういったイメージから解放されるということが最終的な悟りと言われる境地である、ということなのかもしれないと最近考えるようになった。そして死ねばただの光になる。光というのはつまり、自他の区別のない、イメージのない世界ということなのかもしれない。

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