昨日、日曜日のお昼頃、いつものように湖に散歩に行くと、どこからともなく音楽を演奏する音が聞こえてくる。それはラジカセからの音楽じゃなく、誰かが演奏しているものだなあとわかる。吸い寄せられるようにそちらの方に歩いていくと、一人の女性のミュージシャンがギターを弾きながら少ししっとりした感じの、透明感のある歌声で歌っている。最初、ほんの数人だけが周りを少し遠巻きに見ていた。私は、湖の際に斜めに生えている木の幹の上に腰掛けて、左側に湖、右側にミュージシャンがちょっと遠くに見える位置に腰をかけてカプチーノを飲んだ。極楽である。すごい水音がして湖を見てみると、男女がきゃーきゃーいいながら素っ裸で湖に入っている。もしかいたら、毎年こういう風景が観れるのだろうか?あるいは今年、コロナ禍の中で特別にこれをやる人が増えているのだろうか?「水があったかい!」とかいいながらザブッとやってすぐに出る人、二人でヨガのようなポーズを取りながらながいこと入っている人、いろいろだ。面白いのは、水に入る位置がだいたい決まっているとこことだ。水に入るのにうってつけの場所があるということなのだろうか?下をみると、水際にカモの夫婦が寄り添いながらじーっとしている。一匹は少し動き回ってもう一匹は動かずに、お互い無関係のようにも見えて、お互いがいることで安心しきっているように感じる。ミュージシャンの方をみると、取り巻く人々はまばらだったのに、一人、また一人と、火のまわりで暖を取るために人が集まるように音楽の周りに人が集まってくる。そして、奇跡を目撃しているような顔つきでみな音に聞き入っている。私も、それを求める人の心に自分の心が重なって涙が出た。
私が思ったよりずっとベルリンの人々はたくましくて、様々な工夫をしながら心が動く瞬間を見つけ続けているのかもしれない。
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