What is happening?
ベルリンの街に立ってみる自分企画の3日目。この日は何故か、またしても通りの角に警察の車が…。もしや毎週火曜日には警察がいるということか?しかし、これはあとでわかったことだが、この警察のいる側の通りの前が首相府だった(汗)。ここにメルケルさんがいるらしい。知らなかった…。知らないで選んだ場所がなんだかとんでもなく意味ありげな場所になっていた。確かに背後に連邦議事堂があるけれど、むしろその前にある立ち入り禁止になっている野っ原の空間が私には魅力的に感じていて選んだ場所だった。そういえば、自分の作品上演のために2007年あたりに始めてベルリンに家族で来た時、ここは立ち入り禁止ではなくて人々が気軽に集う場所だったのではなかったかしら?たくさんの人が三々五々集まってのんびり過ごしていた記憶がある。写真も残っている。新型コロナの施策として施行された法の改正が、人々の分断や緊張を促して、ベルリンの街の空気感はずっと妙な緊張状態が続いている。でも、その前を通り過ぎる人々の気配を感じながらこの場所に立つ時間は私にとって不思議としっくりくる。今日は、踊り始めてすぐに数人の知り合いが私のパフォーマンスに立ち会ってくれた。その時の私にとっては予想外で、なんだか、あれ?見てくれるために来てくれた人に、私は何をするべきだったんだっけ?というような妙ちきりんな問いが浮かんでしまう。集中しようとしても、人の視線に対しての自分の反応がなんだか浮ついている。それはシチュエーションのせいか、あるいは距離感のせいか、あるいはしばらく人前でパフォーマンスをしていなかったせいかもしれない。毎週水曜日にはアーティストの友人と何かしら公園でのリハーサルをしていて、完全無観客状態で様々な試行錯誤をしてきた。そういう、人に見られていない取り組みをする時間が長すぎて、実際に誰かが見ているとなると、何かしら、その期待に答えなくてはいけなかったんだっけ?というような変な自意識が生まれてしまう。まるで、はじめたての芸術活動のようだ。もう一度、見てくれる人の視点に対して、もっと深い次元で応対できる立ち方を学びなおさなくてはいけないかもしれない。踊ったあと、見てくれた友人たちと交流し、そのあとそのあたりを散策していたら、私の後ろに見える連邦議事堂前ではコロンビアの政権に対する抗議と思われる何がしかのデモンストレーションをやっていて、しかし緊張感というよりは和やかな雰囲気の人々の集まりという感じであった。いろいろな物事が同時進行で動いている情勢の中で、それぞれの立場でそれぞれの人の思いがある。
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