2012年7月19日木曜日

「イシ」〜二つの世界に生きたインディアンの物語〜

「イシ」〜二つの世界に生きたインディアンの物語〜
という本を読んだ。これは、ゲド戦記を書いた人のお母さんが書いた。
ある民族が、白人に根こそぎにされて行く過程を当事者の視点から描いている。この視点から見た当時の白人の彼らに対する行為は、書かれている通り「気が違っている」。
日本に黒船が来て、有無を言わさず土足で踏み込んで行く様、無理な条約を取り付けて行く様にも重ねて見えてきてしまう。その延長線上で戦争に引き込み、計画的に原爆を落とす、「気が違っている」。すごすぎて、どう反応していいか分からない感じなのかもしれない。そういう人(国?)に監視されつつ生きるということを認識したら、普通に考えたらものすごく卑屈に生きることになるだろう。いや、卑屈に生きているのだろう私たちはきっと。卑屈に生きていることをごまかすための娯楽、サブカルチャーなのだろうか?自分たちを、または自分を、なんとか肯定したかったり、踏みつぶされた誇りを麻痺させて装いをするしかないというような。あるいは、人より秀でていることを圧倒的に証明する戦いに生きる(上昇志向的に)。人を罵倒し踏みつけることで誇りをかろうじて維持しようとしてしまう。怒りの下には踏みつぶされた「誇り」が眠っている。その中で窒息しそうになっている人は、空気を吸うために外に出ざるを得ないだろう。そのときに、自分を位置づける方法を自力で見つけて行くしかない。だれも傷つけること無く、自分の踏みつぶされた誇りをもう一度目覚めさせる方法を見つけて。

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