2018年5月7日月曜日

ベルリン日々問い 8 味わいと目的意識

自分が日々を生きる中で何がしかの目的みたいなものがなんとなくある時期というのはある。何か、知りたいことというのがあってそれに向かっているという感じだ。だけど、実際に作品を作る、という目的意識というのは、日々を味わってただただ生きるということをおろそかにするという場合もある。

今、日本を離れてどこか宙に浮いたようにベルリンに生きていると、鳥の声、鐘の音、空の色や春の空気にどっぷりと浸かることができる。

ベルリンで出会う人々はどこか享楽的とも言えるような感じだったり、そこまでじゃなくてもそれぞれの日々を味わうということにたけてると感じる。

一方、やはり生まれてきたからには何かを深めて、つまり様々な経験を経ることによって自分の中にある世界への認識を深めたいという気持ちはやはりあって、それは享楽的とは逆のような気もする。様々な時期を生きることによって、様々な角度から物事を見ることができるということは実際にある気がする。今の、どっぷりと今に浸かっている感じはそのうち自分の認識を深めることの一助にはなるのだろうし、あるいはそういった新たな経験への入り口ともなり得るのかもしれない。

新しい境地は、「目的意識」を取り除くことで得られる認識の深さ、みたいなところなんじゃないか、とは薄々思っているのだけど、作品を作るということの業の深さというか執着心というか、そういうのは結構大変なものなのだよなあとも思う。

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